バイク業界から解体業界へ挑戦した成功ストーリー:トドロキジャパン様 林宏樹氏

バイク業界から解体業界へ挑戦した成功ストーリー:トドロキジャパン様 林宏樹氏

会社名:

株式会社トドロキジャパン

代表者:

代表取締役 林 愛子

取扱業務 【工事部】◆内装解体工事◆原状回復工事◆建物解体工事◆無騒音解体工事◆斫り工事
【産業廃棄物収集運搬業】
【内装工事業】
【二輪/三輪事業部】◆三輪トライクの自社開発・製造・販売◆二輪/三輪トライク メンテナンス修理◆二輪/三輪トライクのレンタルリース業◆インターネット通販事業

Q.いまの御社の事業内容について、教えてください

「基本的には解体工事と産業廃棄物の収集運搬をメインに、リノベーションや原状回復などの仕上げ工事までやっています。」

Q.これまで、どのようにして現在に至ったのか、教えてください

「元々は二輪販売店を営んでいたのですが、8年ほど前でしょうか、土木関係のお客様が多かったことから、人材が欲しいということで人を集めるお手伝いをしたことが切欠ですね。建設業の景気が良くなっているように見受けられましたし、ずっとバイクばかり取り扱っていくつもりもありませんでしたので。

バイク整備やカスタムは専門職なので、車で言えばメーカーのディーラーさんのような、マニュアルがあって整備をするというものではないんですね。ちょっとしたカスタムや改造となると、資格を持っている人がタッチしたくない部分もあったりしますので、そういう意味で人材が多い建設業の方に片足を突っ込んでおいて、バイクに興味のある人がいれば勧誘できたらな、という考えもありました。

弊社はトライクという特殊な3輪バイクを取り扱っているため、入庫した2輪バイクをまず解体して骨組みにするという作業があるんです。そうした下地もあり、建設業に飛び込むのであればまず壊すことから覚えれば、作ることも逆算して出来るだろうと、当時29業種の中で新しくできたばかりの解体工事から入りました。

内装解体から始まって、木造家屋、RCやSRCのマンション、ビルも手掛けるようになり、その中で出てくる産業廃棄物の処分もしなければということで収集運搬業許可も取って、現在に至るという感じです。」

Q.現在の建設業界について、どう思われますか?

「やはり昔から、汚いとか怖いという職人さんに対するイメージがありますが、そのまんまなんだなと改めて思うところが多いですね。我儘を隠さずにそのまま言い通す性格というか、無責任な人が多いと思っています。

バイクでもそうなのですが、気が利かないと言いますか。例えば風邪をひいて病院へ行くと、ただ薬を出す先生もいれば、アレルギーがありますか?と聞いてくれて、薬をそれに応じた調合に変えてみたり、あるいは長期的な体質改善まで考えて漢方薬を勧めてくれたりする先生がいる訳です。

建設業で言えば家を作る時も壊す時も同じで、例えば修理を依頼された際に言われた所だけを直して帰るのではなく、ここが気になるのでついでにやっておきましょうか、現状がこうだと今後こういうことが考えられるので検討された方が良いですよとアドバイスするなど、目の前の1つのことだけをやって終わりじゃないと思うんですよ。

こうした気遣いがあるだけで全然違いますし、自分の中ではちょっと気を回すことは普通だと思っていたのですが、なかなかできない、やらないものなんだなと。私は元々20歳くらいの頃に高層マンション建設の鉄筋屋で働いたこともある人間で、当時はもう二度とこんな怖い思いをして、身が凍るような外の現場なんかやらない、と思ったものでした。建設業界に限らないことなのかもしれませんけどね。

それでも流れで戻ってきた業界ですが、職人さん自身が元請けの担当者やお客様との意見が合わず、気に入らないから帰るなんてことも多々ありますし、責任を負わない、すぐに責任逃れをする、仕上げさえすれば中身は直接お客様に気付かれないので好き放題雑な仕事をして、やりたいことをやって隠しちゃえば分からないという考えが蔓延しているように感じます。数年前に問題視されたレオパレス時間がいい例ですよね?それは改善しなければいけないんじゃないかな、と思いますよね。」

Q.御社の成功要因について、教えてください

「特に成功しているという意識はないのですが(笑)浜田さんが評価してくれている利益率の話をすると、業界の構造に着目したことですかね。言い方が難しいのですが、仕事があるからいいやと、ずっと下請けに甘んじていたら結局は利益が残りませんので、正直それは何とかしようと考えていました。

巡り合わせが良かったこともあり、今は大体二次請けでやっている感じですが、これくらいが1番いいのかなと思います。やはり体制的なものも含めて一次は大変でしょうし、弊社の経験値がまだ不足しているということもありますので。そうしたことを踏まえてここ数年を分析すると、体制と資金が整えば二次でいけないことはないのかなと思っています。」

Q.建設業で成功するためには、どのような組織や採用、教育が必要か?

「建設業って現場の仕事だけはあるんですよね。仕事の定義をお金までもらえて一区切りと考えると、仕事じゃない、現場だけ仕事があるっておかしい、ということになりますので言い方を変えると、案件だけは腐るほどある、ということです。ただし、倒産したり逃げたり、元請けから貰ってないからお金が払えないなど、無責任で意味のわからない業者が多いんですね。

だからそういう業者とも案件で繋がっていないとお金がもらえないんじゃないかということで付き合うのは、やめたほうがいいと思います。この人から離れるとお金を払ってくれないだろうから、どうにか上手く繋いで繋いで、下請けさんを呼んで仕事をするだけして、ずっと支払い(入金)を待たされている人が現にいますから。

成功というよりは失敗しないための方法になるのかもしれませんが、そういう業者にしがみついてしまうと結局は共倒れしちゃいますので、きっぱり付き合いをやめた方が成功できると思います。1度でもそういう気配を感じた瞬間に離れた方が良いです、とんでもない人もいますので。私の印象に過ぎませんが特に内装関係は注意が必要で、大体2回目まではみんな払うのですが、3回目に大きな案件が来て連絡がつかないというパターン、弊社も経験しました。信頼関係が築けている仲間内でやっている方が良いですね。」

Q.建設業で成功するためには、どのような組織や採用、教育が必要か?

「土木にしても建築にしても、やはりゼネコンでは自動化が進んでいますが、今後も人の手は絶対に必要だと思っています。これは私も含めて大きな課題ですが、これといった技術がなく作業だけが出来る人を採用するよりは、濃縮して出来るメンバーと動く方が上手く建設業界に絡んでいけるんじゃないかな、とは考えていますね。そちらの方が効率は良いですし、先程お話した二次の立場で今の流れとは別のルートも出来てくるんじゃないかなと思います。」

Q.今後、建設業界はどうなっていくとお考えですか?

「仕事の総量は増えるんでしょうけれども、仕事をやり切れるところにしか仕事が回ってこなくなるような気がしています。」

Q.御社の今後の展望をお聞かせください

「横の繋がりをもっと作っていきたいなと思います。仕事をやる・やらないではなくて、信頼関係ができるような。メインはもう太いので、第一工事部、第二工事部といったような別の器を5つくらい持つイメージですね。いま働いてくれている従業員さんのスタイルで考えると、全員一列よりも横の方が良いのかなと。会社自体が2社目、3社目という形の展開でもいいのかなと考えています。」

林宏樹専務取締役 プロフィール

林宏樹専務取締役

【最終学歴】 95年 ワシントン州立エドモンズ大学中退 【職歴】 板前3年 営業職7年 30歳 バイクショップ『轟』起業 34歳 トライク販売 36歳 トライク製造開発 40歳 法人化と共に建設業開始